転職と採用の専門家naotoの部屋

企業での人事採用経験と人材紹介会社での経験談を綴ります

「職務経歴書」の書き方

こんにちは、naotoです。

 

職務経歴書ってどうやって書けばいいの?

 

履歴書に比べても自由記述色が強いのが職務経歴書です。職務経歴書の書き方講座、というのも沢山ありますが、これまで何千人の職務経歴書を見てきた私の知見をお伝えしようと思います。

 

introduction

職務経歴書の内容はもちろん重要ですが、書き方によって、性格、論理性、思考力、想像力、独創性など判断できるので、書類選考はもちろん、この方は面接でも「合格」になるな「不合格」になりそうだな、というのが、何千人の職務経歴書を見てきた私の経験上から、大体わかるようになってきました。

 

職務経歴書の構成

職務経歴書は基本的に自由記述、自由構成です。自由であるがゆえに、個性がはっきり現れます。

おススメの職務経歴書の構成の一例を示します。

・職務要約

・職務経歴

・自己PR

・資格、業務スキル

今はインターネット上でテンプレートをダウンロードできるので、必ずそうした方が良いでしょう。

時々、テンプレートを使わずに一から自作して、まとまりが無かったり、内容が履歴書と同じことだったり、長文作文・読書感想文のように長すぎたりする方がいます。

そうすると、ITリテラシー(スキル)が乏しいのではないか?読み手の気持ちを考えることができない方なのか?想像力が乏しいのかな?と思ってしまうことがあります。面接に進んでも、少しマイナスイメージは残ってしまいますね。

適切なページ数は、社会人経験が3年程度なら1ページ半くらいで良いでしょう。社会人経験20年を超え経験社数が5社のような方でも、多くてもA4用紙3枚にまとめて欲しいところです。内容については、後の項目で触れていきます。

それでは項目について一つずつ見ていきましょう。

 

職務要約

社会人経験年数によって3~10行以内くらいでまとめましょう。個々の会社でという観点では無く、業界や職種という大枠をイメージして要約することを心掛けましょう。応募企業と親和性があれば、固有名詞や専門用語を使っても問題ありませんが、未経験業界へのチャレンジであれば、読み手が理解できるかということを想像しながら書くと良いでしょう。

一例を示します。

大学卒業後、○○業界のメーカーへ就職、営業職として○○年勤務しました。マネジメントも○○年経験した後、大手人材紹介会社へ転職、○○職として○○○○に従事し、○○年勤務しました。その後、○○業界の○○○○株式会社の人事マネージャー職のポジションに縁があって転職、現在は○○ポジションとして○○○○を担っています。

といった具合でしょうか。

時系列で、端的に、一般化して書くと良いでしょう。社内で賞を取ったなどのアピールは次の職務経歴で記載するので、ここでのアピールは必要ありません。

 

職務経歴

ここでは、会社名、部署名、役職名、業務内容、実績、成果、受賞、工夫・ポイントを記載します。

会社名-部署名-役職をひと塊の期間と捉え、ひと塊毎に実績や成果などを乗せていくイメージを持つと大枠を捉えやすいでしょう。

複数社経験の方は、新しい方から書くのが良いか、古い方から書くのが良いのか、意見が分かれるところですが、私の経験上、古い方から時系列で書いてもらう方が見やすいです。なぜなら、新しい方から書いているようで、中身の個々のひと塊は古い順に書いてしまっている、というケースがとても多く見られるからです。読みやすいか読みやすくないかの差なので内容は変わらないですが、ここでも、論理的か、物事を整理できるか、相手のことを考えられるか、などいくつかわかることがあります。

ただし、直近の経歴や応募企業で活かせる経歴を濃く、より昔のことや応募企業に全く活かせない経歴は薄く書くというのは定石ですから、新しい方をから書いても良いです。その場合は、会社-部署名-役職のひと塊も全て新しい方から書くこと、期間(年次)も逆から書くことを意識してください。

例えば、

2016年~現在:

2010~2016年:

2000~2010年:

では無く

現在~2016年:

2016年~2010年:

2010年~2000年:

というように遡って書くと、とても良いセンスをしているな、と感じます。

あくまで私見ですが。

 

業務内容については1行~数行で簡潔に記載し、実績、成果、受賞については、わかりやすく数字で示せるものは記載してください。

営業職の方は、予算・目標、実績、達成率、順位など書きやすいですね。数字で評価されない職種の方は、業務内容を厚く正確に記載し、成果など書けるものについては惜しみなく書きましょう。

重視されるのは直近3年程度ですので、それ以上前になると特筆すべきもの以外は記載の必要はありません。同じ業務10年分くらいをきっちりきっちり書かれる方もいますが、同じ業務の過去の数字は気にしないです。むしろスペースを使ってしまい、読み手を飽きさせてしまします。

また、数字(達成率など)をどこまで正確に書くか、という疑問があります。会社にデータが残っているか、自身で残していない限りは、一の単位や小数点単位まで書くことはできないでしょう。その場合は、大まかで構いません。職務経歴書に記載されている数字だけで合否判断されることはまず無いでしょうし、企業側が記載内容の信憑性まで計るのは難しいですからね。数字や成果より、それに至った、行動・思考・状況・分析・個人特性が重要ですので、それは面接で深堀りされます。

 

工夫・ポイントは個性が発揮されるので、アピールしてOKです。だらだらとした文章にならないように、伝えたいことを要点を絞って書くと良いですね。

 

自己PR

ここでは、スキルや強みを2~3の項目を作って記載するのが良いでしょう。重要なのは、応募先の会社・職種で活かせる内容かどうか、ということです。むやみやたらに自分のスキル・強みを書けばいい、というわけではありません。

例えば、コミュニケーション力、という項目を作ってアピールするとします。実際にコミュニケーション力をアピールされる方はとても多いです。

しかし、募集している業務にはコミュニケーション力はあまり重要ではない、とするとどうでしょう?無意味なアピールになってしまうばかりか、この人想像力が欠けているな、と面接官・人事採用担当者に思われてしまうかもしれません。

ただ、今のご時世、コミュニケーション力の優先順位が低い業務がどの程度あるか疑問ですし、コミュニケーション力はもっともっと深く科学できる代物ですので、これについてはまたいずれ記事にしたいと思います。

 

資格・業務スキル

応募先の業務に関連する資格、スキル(特殊能力)があるなら記載しましょう。

その業務を遂行する上で、必須となる、有利となる資格かどうか?スキルかどうかをイメージしながら書きましょう。

業務に関連する、というアピールである観点から、履歴書に記載する資格とは少し意味合いが異なります。業務に関連しない資格は履歴書に書いても問題ありません。

ちなみに、業務に関連しない資格・スキルを職務経歴書に書いたとしても、合否に響くようなマイナス評価にはならないでしょう。ただ、何でこれをここに書いたの?と、人事採用担当・面接官が思うくらいです。

例えば、漢字検定2級とか色彩検定とかですね。活かされるシーンが具体的なら良いですが、あまり関係ないなら履歴書に書くのみで良いでしょう。自主的に勉強できる人、というアピールにはなるかもしれません。

英検やTOEIC点数は、外資系企業や業務に繋がるケースはビジネスシーンでは多々あるので、職務経歴書に記載しても問題ないでしょう。

 

まとめ

私が職務経歴書で見るポイントは、内容そのものよりも、応募職種のことを考え、読み手のことを考えた作りになっているか、です。またプラスよりもマイナスの方がより目についています。今回の記事を参考に、マイナス面を抑え、あわよくばプラスを出せるような職務経歴書であれば平均的でも全くもって問題ありません。

 

しかしながら、まだ転職活動の入り口の段階ですので、職務経歴書の作成にあまり時間を費やし過ぎるのはチャンスを逸する可能性があり、転職意欲が下がってしまう要因にもなります。

まずは応募要件ありきなので、応募要件は満たしていないけれど職務経歴書が素晴らしくて面接に進んで内定が出る、というケースは極々稀です。

つらつらと職務経歴書の書き方について綴ってきましたが、どれほど作り込んだとしても書類選考通過率が少々変わる程度だ、と思って大胆に一気に作成してしまう方が良いでしょう。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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