面接対策 〜その② バーバル(言語)対策〜
こんにちは、naoto です。
やっぱり面接で上手く話せない!!
ということがあるでしょう。
今回は、言葉やその内容についての対策を綴っていきます。
introduction
企業側は、採用したいポジションの役割や業務ができるかどうか、を面接で見極めるのが大前提です。
したい軸とできる軸で考えたときに、したいという気持ちは強くても、できない、と思われたら合格確率は下がってしまいます。できる、と思わせるためには、これまでの経験や思考を言葉にして伝えることが重要です。
もちろん、したいという気持ちや情熱、ビジョンを熱っぽく語る、というのも面接官の心を揺さぶる一つの手段です。
質問に対するズレない回答
質問に対して、ズレた回答をする、これはまずい展開です。とても良い内容だったとしても、それを聞いているんじゃないんだよ、、と面接官に思われるのはマイナス印象です。
簡単な例えを出すと、「誕生日はいつですか?」に対して「28歳です」という答えはズレていますよね。これくらいのシンプルな質疑応答なら誰でもズレはしませんが、面接では意外にもズレることがよく発生します。「現職を転職したい理由は何ですか」→「御社のようなグローバルな企業で挑戦したいからです」これは志望動機、になります。
ちなみに、私が面接官だと、質問の言い方を変えて「では現職を辞めたい理由は何ですか?」と聞き直します。「閉鎖的でチャレンジできる環境ではないから」とか「大きな不満は無いがもっとチャレンジして自分を試したい」などと答えてくれると、まだ納得できます。それでもズレた回答をした人、という印象は持ってしまいます。このように、質問に対する回答がズレていない、ということを強く意識しましょう。
クローズクエスチョン
イエスやノーで答えられるものや、回答範囲が狭く回答を選べるもの、というのがクローズクエスチョンです。ちなみに、面接官の力量が低いと、クローズクエスチョンが多くなりがちです。やたらと、できますか?大丈夫ですか?という質問を繰り返す面接官です。
このクローズクエスチョンの対策としては、面接官がどの回答を望んでいるか、が正解なのですが、明らかに嘘とバレるものはしっかりイエスノーで答えましょう。例えば、こんな質問です。
面接官「対人コミュニケーションは得意ですか?」
解説:得意か不得意かは主観的で定性的です。では面接で「不得意です」と言う必要はありますか?ないですね。不得意な人が好まれる、というのはあまり無いので、「得意です」の一択になります。
面接官「3ヶ月以内に自動車運転で違反はありますか?」
解説:内定時に運転記録の提出を求められた場合、真実が明らかになります。面接での回答と齟齬があると、虚偽報告となってしまいます。このように、定量的で具体的な質問の場合は真実をそのまま答えましょう。
面接官「1人で進める仕事が好きですか?みんなで進める仕事が好きですか?」
解説:面接官の中では根拠があって正解があったとしても、シチュエーションによってどちらが適しているか異なるというのが良くあります。この類の質問の場合は、正直に思った方を答えましょう。良くない答え方は、どちらも好きです、という回答です。質問に対して回答できていないですよね。
瞬時に、この質問は定性的か、正解がある質問か、質問と答えはズレていないか、を判断することで対処しましょう。
オープンクエスチョン
なぜ?どのように?など、一般的に5W1Hで表されるような質問がオープンクエスチョンです。それに対する答え方について解説します。
クローズクエスチョンと同様に、質問に対する回答がズレないことを意識しましょう。
「なぜ、失敗したと思いますか?」→「事前準備が足りなかったからです」→「なぜ事前に準備が足りなかったのですか?」→「十分に準備していたつもりでしたが、その時点では詰めの甘さに気がつかなかったからです。」→「どうすればそれに気がつくようになりますか?」→「・・・」、というのがオープンクエスチョンとその回答の一例になります。
「正解」はありませんが、質問に対して相手が納得する回答になっているか、というのが論点になります。質問に対して即座に答える必要はなく、少し頭の中を整理して、ゆっくりと、理路整然と答えられると、そもそも印象が良く映ります。
「成功事例」のコツ
私が面接官の際は、いくつかの質問の中で「直近の成功事例」というのを最も時間をかけて掘り下げます。経験者でも未経験者でも、これまでの仕事への取組みから、今後の仕事に活かせるか、という点を見極めます。余談ですが、直近の、と聞いているのに5年前の話をされると、それって直近?本当に直近には成功事例は無いの?と思ってしまいますので、質問の意味と意図を正しく理解する、というのが大切です。
仕事において重要なのは、再現性、汎用性、独創性、そしてスキルです。+αでは主体性です。
・再現性
同一の特性が同一の手法を用いるとき、その結果の一致の近さ
・汎用性
物事について幅広く適用したり一般的に活用したりできる性質、幅広い用途に活用できる様子
・独創性
他人もまねることなく、独自の考えで物事をつくりだす性質
成果・成功を出すためには、必ず行動があって、その行動を起こすには、思考があって、その思考を生み出すための状況把握・分析があって、その状況把握・分析するための情報収集と選別が、一般的にはあると考えます。
これに、再現性、汎用性、独創性を当てはめます。
その一連のストーリーは、自分自身で再度同じことが実現できるか?これが再現性です。例えば、競合他社が失敗を犯したため偶然ラッキーでその成果が生まれた、というような事例であれば、再現は期待できません。しかし、競合他社が失敗したことをどうやって知ったか、そこから何を考えてどんな行動を起こして成果に繋がったか、を言えれば、これは偶発的な産物では無く、必然的な結果であり、同様の状況下では再現が可能だと言えます。
その一連のストーリーは、他の状況下においても幅広く、また他人にも展開できるか?例えば、趣味が同じで親しくなったクライアントから大きな案件を受注した、なども汎用的ではありません。しかし、どのような切り口で親しくなったのか、親しくなれた一番の理由が趣味なのか、それとも別のスキルなのか、そこからどのような行動で案件受注ができたのか、能動的なのか受動的なのか、によっては、汎用が可能なスキルを持っていると言えます。
その一連のストーリーは、自らの工夫、アイディアによるものか?例えば、成果だけ聞くと素晴らしいが、同僚も皆実行していて、そのノウハウは会社から与えられたものであれば、独創的ではありません。ストーリー全てが独創的であることはめったにないですが、成果に至るプロセスの中で、独創的なアイディアやアクションがあれば良いですし、それを汎用的に展開することで、チーム全体としてより大きな成果に繋がった、というストーリーであればなお良いでしょう。
論理的に話す
よく、論理的に、ロジカルに話した方が良い、ということを言われます。面接でそれがどう当てはまるか解説していきます。
成功事例や過去の経験は実際はとても素晴らしいのに、言葉で上手く伝えられないが故に面接で「不合格」になってしまうことがあります。それはとても勿体ないですし、本当は仕事ができる人なのに、面接で上手く伝えられなかっただけで、というのは企業側も損をしていると言えます。
論理的に話す、というのをもう少し噛み砕くと、面接官にストーリーを理解してもらえるようわかりやすく話す、ということに他なりません。(論理的とはもっと複雑ですが、ここではあくまで面接の中で、ということにします)
では、例えば「成功事例」はどのようにストーリーを組み立てれば良いか、次の3つを意識すると良いでしょう。
・結論から
・全体を
・端的に
結論から、
というのは、まず成果・結果を先に伝えるということです。例えば、そのストーリーにどのようなタイトルを付けますか?ということを考えるとわかりやすいかもしれません。
ある例を出すと「新規取引先の○○会社から○○千万円のオーダーを受注した」という話をします、と最初に伝えます。これが結論から話す、ということです。
全体を、
というのは、全体像を理解してもらった上で、というイメージです。
先ほどの例だと、新規取引先の○○千万円のオーダー、という凄さがその業界の人以外にはわかりません。そこで、「弊社では、○○業界の○○ような特性上、一般的に新規取引先からの受注というのは年に2-3件獲得できれば上位で、平均的には百万円単位のオーダーというのが一般です、それを踏まえた上で聞いてください」といったように全体像を掴んでもらえると、事例のそのものの凄さやポジションが理解できます。こういう出だしで話してくると、やるな、と面接官としては思ってしまいます。
端的に、
というのは、状況→思考→行動→成果まで、大木の幹のように一本道で話ができているか、ということです。ついつい曲がりくねったり、枝葉となる情報を伝えたくなりがちですが、そうすると話しているうちに、これって何の話だっけ?とお互いにわからなくなってしまいます。質問に対して、まっすぐ最短ルートでのストーリーをお届けする、というイメージです。
また、前後の文脈の接続具合と高確率具合がとても重要です。
「AならばB、BならばC → AならばC」というのが一般的な数学的論理性ですが、言葉の論理性となると主観が大きく入り込むため、他者からすると明らかな飛躍であったり、まったく接続性が無い論理、と捉えられることが良くあります。難しいことですが、より客観的な視点での前後の接続性の認識と、より多くの人の支持が得られるような高確率でそうなるよね、って思わせられるかがポイントです。
具体性に欠けていない
もう一つ大事な要素は具体性です。抽象性と対になりますが、そのストーリーはどれほど具体的か、を見つめてみてください。コツとしては、いつ、どこで、誰に(誰と)、何を(何が)を明確にし、正確な数字、正確な名称、固有名詞を意識することです。
例えば、「的確なアプローチでクライアントのニーズを捉え、戦略的な解決策を立案してクライアントへ提案することで納得感が生まれ、大型のプロジェクトの受注に繋がりました」という回答は、もはや何が何だか意味不明ですよね。ザ・抽象的です。特に「クライアントニーズを捉え」というのが一番怪しげで、面接官の立場としては良く聞くフレーズです。
最初のセンテンスを分解します。
・的確なアプローチとは?
・クライアントのニーズとは?
・戦略的な解決策とは?
面接では、それぞれに突っ込んで聞いていったりします。
よくよく聞くと、それは誰もがする普通の行動ですよね?であったり、ニーズでは無くて普通に頼まれたことですよね?であったり、どの辺りが戦略的だったんですか?と言ったことが往々にしてあります。
自分でできる対策
親やパートナー、親友に、用意したストーリーを聞いてもらい、意味がわかるか?凄さが伝わるか?を確認すると良いでしょう。その人たちが納得するものであれば、面接官も納得してくれるはずです。
ただし、以前の記事にも書いたように、アドバイスを求めるのおススメできません。その方々は転職や面接の素人であり、そのアドバイスが正しいという保証が無いからです。
職場の同僚に対して「私の良い点と悪い点を教えて」というのも良いでしょう。自分を客観視し、言語化して、面接官へのアピールに使えそうです。
まとめ
考え出せば切りが無いのが面接対策です。原稿を作って何度も繰り返し練習するのも悪い事ではありません。しかし、面接は会話の場です。原稿を読んでいるように見えてしまっては、面接官に伝わりません。「対策」ということを綴ってきましたが、あえて抽象的に留めたのは、これが理由です。自分が話すことに一杯一杯にならず、会話を楽しむくらいの心の余裕を持つことが、成功の秘訣です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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