転職と採用の専門家naotoの部屋

企業での人事採用経験と人材紹介会社での経験談を綴ります

面接対策 ~その① ノンバーバル(非言語)対策~

こんにちは、naoto です。

 

面接って緊張しますよね!!

ずばり、面接はどのように攻略すれば良いか、これまで数千人の面接をしてきた面接官の経験から、面接対策としてお教えします。

 

introduction

面接官は、応募者の何を見て、何を聞いて、どんな判断基準で合格・不合格を決めているのでしょう。

まずはそれを知ることが重要です。一言で対策と言っても、敵(応募先の企業の面接)を知らずして対策は立てられないですからね。

ノンバーバル(非言語)とバーバル(言語)をこのように分けて定義して対策していきましょう。

バーバル:面接で発する言葉の内容そのもの。

ノンバーバル:言葉の内容以外の動作、表情、思考など。

今回はノンバーバル対策として綴ります。

募集背景

求人を出す企業には、必ずその募集の背景・理由があります。なぜ、そのポジションを採用したいのか?ということです。

例えば、

a事業が好調で人手が足りないから、いまが拡大のチャンスだから、ということで増員したい。

b新規事業を立ち上げたため、優秀なスタートアップメンバーを募集したい。

c急に重要なポジションの社員が辞めたので早急にその欠員を補充したい。

dどんどん人が辞めるのでどんどん人を採らないと事業が回らない。

など、どの採用にも必ずその理由があります。実はこの採用背景を知ることで、その会社やポジションの特徴を知ることができます。

a、bは魅力的、cも納得、dは不安、ですよね。魅力的なaとbも、aは安定、bはチャレンジ、そんな印象を受けます。

採用したい人に対して、どんな期待があるのかを量ることができますし、その会社の将来性の参考にもなります。

では、どうやって募集背景を知ることができるのでしょうか。これは転職エージェントに聞くか、面接で聞くのが良いでしょう。「今回の求人の募集背景はどういうものですか?」これに答えられない転職エージェントは、あまり企業との関係が強くないかもしれませんし、面接官もこれに答えられないようなら決定権はあまり無い方だ、という判断材料にもなります。「教えられません」というのも怪しいですね。

絶対評価相対評価

面接評価には、絶対評価相対評価という考え方があります。

絶対評価:募集ポジションに対して、ある程度明確な採用基準が設けられており、その基準をクリアすれば採用されます。企業側からすると、そのポジションをいつまでに何人採用する必要があるかによって、その採用基準が変化することがあります。例えば、いつまでに採用しなければならないかという期限は決まっていなくて、マネージャーのポジション1名の採用、となると、かなり厳格な絶対評価として見られる可能性が高いでしょう。

相対評価:募集ポジションに対して、複数の応募者を比較検討した上で、上位者から順に採用する、というものです。期日や人数が絶対的に決まっている求人であれば、相対評価軸で選考される可能性があります。

 

どちらか厳密というわけでは無く、両方の概念の中で選考基準が設けられる、と考えると良いでしょう。

 

面接時間とペース配分

30分の面接なのか、1時間の面接なのか、によって面接でのペース配分も変わってきますよね。通常、そのポジションはどれくらいの時間なのか、これも転職エージェントに聞いてみると良いでしょう。面接が始まってから面接官に聞くのは少し失礼ですので止めておく方が無難です。

私が面接官の際の事例ですが、経験者ポジションでは短めで、未経験者ポジションでは長めです。スタッフクラス採用では短めで、リーダー・マネージャークラス採用では長めです。質疑応答含めて、短くて40分、長くて1時間を目安にしています。

面接時間が15分などという短すぎる場合は、基本的に企業側の傲慢であるケースが多いです。しかし、合否判断が早々に着いて早く終わることもありますので、面接では最初から全力頭フル回転で臨むのが良いでしょう。2時間というような面接でも集中力が切れて綻びが出ないよう気をつけましょう。

面接が始まる前

面接する会社に到着すると、一般的には、受付で「面接に来ました○○です」と名乗るか、事前に指示された携帯電話に電話する、という形式でしょう。適切なのは3~10分前です。私の経験では、面接の40分前に電話してきた方がいました。クライアントとのアポイントでも、そんな行動を取るのか?と疑問に感じますし、評価材料になります。遅刻はもってのほかですが、ぎりぎりというのも本当に来られるのか?と面接官側もそわそわします。

面接官が面接部屋に通すケースと、面接官以外の方が面接部屋に通すケースがあります。前者ではそのまま面接が始まりますので、指示に従えば良いですが、「こちらの部屋で少々お待ちください」と言われるとちょっと困りますよね。特段の指示が無ければ、下座でコートや荷物は持ったまま立って待っておけば何も問題無いでしょう。「かけてお待ちください」「コートはこちらにおかけください」と言われると、どうしよう、と考えるでしょう。言われたんだからそれでいいじゃない?と思いますが、面接官に伝わっていない場合、どういう印象を与えるかを想像しましょう。座って待ってはいるけど、面接官が入ってきた瞬間に立ち上がって「本日はよろしくお願いいたします」と挨拶すれば問題ないですね。時々、座ったまま立ち上がらない方がいますが、常識の有無という観点から評価材料にされます。

テーブルの上には指示されたもの以外は出さないことをお勧めします。よくあるのは、メモ帳とペン、履歴書・職務経歴書、時計、ペットボトルですが、机の上には出さない方が良いでしょう。

まず面接中にメモを取る事はありません。あるとすれば質疑応答の時です。本当に必要なら、メモを取ってもいいですか?とその時に聞いて、カバンから取り出すのが良いです。履歴書・職務経歴書も机に出すのは止めましょう。面接は会話をする場です。カンニングペーパーを見るように、ちらちら机を見ながら棒読みのように話される方がいますが、違和感があってテンポの良い会話は生まれません。時計も出す必要は無いです。面接官がタイムキーパーを兼ねますし、ちらちら時間を気にするのも良い印象では無いでしょう。どうしても口が渇いて上手く話せない、という時は、面接官の許可を得て水分を摂取すると良いでしょう。

第一印象

面接が始まる前、からすでに面接は始まっている、と考えた方が良いでしょう。社会人の礼儀やマナー・対人関係という観点から、第一印象が面接結果を左右することがあります。

ポジションによっては、特に第一印象を重視します。営業や販売職であれば、顧客との関係構築という観点から、第一印象が業務に直結するからです。研究・開発職であれば、第一印象はあまり重視しません。

そのポジション・入社後の業務に対して、相応しい恰好、振る舞い、表情、言葉遣いをイメージし、第一印象で好印象を持ってもらえると良いでしょう。第一印象で合否を決める!と言い切る面接官もいます。

面接時の姿勢

背筋を伸ばして手は膝の上、これが基本姿勢です。話の中で手を使ってジェスチャーすることもありますが、オーバー過ぎなければ問題ありません。

クセとして書き出る方がいますので、とても注意が必要です。

・腕を組む

・机に肘をつく

・顔や髪を触る

・足を組む

・早口

 

 

面接時の視線

1対1であれば相手と自分だけなので、視線は特に気にする必要はありませんが、少し注意するとすれば、ずっと相手の目を注視し続けるのも、1回も視線が合わないのも良くはありません。自分が逆の立場だったらどう印象として受け取るだろう、という事を意識してください。業務内容によっては、視線など関係ない、ということももちろんありますが、一般的に社内の人間とのコミュニケーションが不必要ということはあまり無さそうですから。

複数の面接官の時の視線がどうするのが良いでしょうか。面接官が3人としましょう。基本的には平等に視線を向けつつ、個別に質問された相手を中心に視線を組み立てると良いでしょう。面接開始時に面接官側が部署や役職を明かした時、決定権者が誰かがわかれば良いですが、例えば、社長、部長、人事部の3人が面接官だった場合、実は部長が採用決定権者なのに、社長にばかり視線を向けて話していたとしたらどうでしょう。印象は良くないですよね。

見た目の年齢や雰囲気で決めつけるのも危険です。私が面接官をした時の経験で、私より1まわり以上年上の者と私の2名が面接官でしたが、応募者はずっとそちらの年齢が高い面接官ばかりを見て話をしていました。でも実は、私が決定権者だったのです。優秀な方でしたので、合格を決めて見事に入社して頂いたのですが、後から実は面接では、、、という話をして、「大変失礼しました!」と謝られたという事例があります。

 

質疑応答タイム

意外と難しいのが、最後に「何か質問はありますか?」と言われた時です。この回答の仕方で、上手く行っていた面接が台無しになる、なんてことも珍しくありません。

自分がその職に就いた時により具体的にその業務や活躍をイメージしたいから、という内容の質問が理想的です。その企業や製品を褒めつつそれに関して質問する、というのは一つのテクニックです。

面接の合否が出る前に条件や待遇について細々質問するのは好ましくありません。例えば、「住宅手当は出ますか?」という質問です。それば無いならこちらから願い下げです、という強い意志があれば聞いても良いでしょう。ただ、住宅手当はあるけれど年収が低い、という場合もありますし、そもそもお金で決める方なんですか?という印象を面接官に与えてしまいます。もちろん気になる内容ですが、これは内定フェーズで質問するか、転職エージェントを使っているなら彼らに聞くようにしましょう。

無理に質問はせずに「現時点では特に質問はありません」と元気満々に答えるというのも悪くないですよ。

 

まとめ

今回は、面接の流れの中での対策について綴りました。メラビアンの法則等で言われるように、面接においてノンバーバル(非言語)コミュニケーションは重要です。

とても良い内容を話せたのに、面接官の常識と自分の常識のずれや、クセ、単に印象のせいで不合格になってはとても勿体ないですからね。しっかり対策して面接に臨みましょう。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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